夢のこれまでと、これから。 長かったシーズンの、明かされなかった苦悩と真実、 そして未来に向けた思い。 12月5日、シート獲得のために奔走する可夢偉が語った、 1万7000字インタビュー完全収録。 彼はどんな思いで戦い、挑戦を決意したのか。 それを知ってほしい。 12月5日、小林可夢偉は六本木に姿を見せた。その表情に少し疲れが窺えたのは、午前11時という彼にとっては早い時間のためではなく、ブラジルから日本に戻って以来スポンサー獲得のために忙しく走り回ってきたせいだった。 長かったシーズンが終わっても、息をつく暇などなく可夢偉の戦いは続いていた。昼はスポンサーとの交渉、そしてヨーロッパが朝を迎える夜になればチームとの交渉。睡眠時間が短くなり、疲労が蓄積するのも当然のことだった。 一流チームへの移籍を決めたチームメイトと、先行きの見えなくなった可夢偉。同じザウバーのシートに座りながら、どうして