産業技術総合研究所(産総研)はこのほど、野球帽のつばの中にラジオを仕込んだ“ウェアラブルラジオ”のプロトタイプを開発したと発表した。独自技術で作成した「曲がるラジオ」を使って実現したという。 印刷技術と低温プラズマ焼結法(CPS)と呼ばれる技術を活用し、フィルム基板上に銅の配線を形成。その上にチップ素子を実装して曲げられるラジオを制作し、野球帽のつば内部に組み込んだ。作成したウェアラブルラジオは、軽量のためかぶっても違和感がなく、つばを曲げても問題なくラジオを受信できるという。 産総研によれば、印刷技術を応用して電子デバイスを製造する「プリンテッドエレクトロニクス」では配線に銀インクが用いられることが多く、コストがかかる上に短絡(エレクトロケミカルマイグレーション)しやすいなどの課題があった。従来も銀の代わりに銅インクを用いる技術はあったが、使えるインクが限られるといった課題もあったという
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