4ビートに身を任せ、うつろな恋を想い出し、仕方がないのと女が歌う。ジャズボーカルの、そんないわゆる“シャバダバ”の世界があったとして UAならば、どう歌うのか。フリースタイルな歌唱が人気を集めるアトモスフィアの達人、UA。字義通りのモダン・ジャズのパイオニア、菊地成孔。 2人の競演によるジャズ・アルバム『CURE JAZZ』が世に生まれた。演奏時間は70分を越え、アナログ盤の時代なら2枚組でリリースされたに 違いない重厚感がある。その半分がスタンダード・ソング。残る半分が菊地の詩と曲によるポスト・モダン指向のオリジナル。ゴージャズなビッグ バンドの4ビートもあれば、ジャングルの中に突然誘い込まれるようなファンキーな曲もある。急いで聴き終えるには惜しいくらいの大作。実際に 急いで聴き終えることも出来ない。ボリュームたっぷり、しかも充分にコンセプチュアルな新作ゆえに、当の本人達からの解説を願い