国分寺の駅からもほど近い、閑静な住宅街。黒のガリバリウムの外観が目を引く一軒家が、一法師兼茂さんが一家4人で暮らすお宅だ。 アルミや鉄、亜鉛やステンレスといった様々な金属の素材感、天井などに使われている合板の木目や床の色、白だけではなく黒やグレーなどで塗られた壁が、それぞれの場所で様々な表情を見せている。そして、それらの分量のバランスや、リズム感が抜群にカッコいい。 玄関ドアを開けて通路を進むと、広い中庭に出る。前面の道路からも他の家からも見えない、プライベートな空間だ。 「最初に建築家にお願いしたのは、プライバシーを保てる中庭を作ってほしいという点でした」 中庭を確保することで駐車場のスペースを諦めたものの、中庭に向いたそれぞれの部屋からの眺めや、家の隅々まで光を取りこめる暮らしを楽しむことを選んだそうだ。