スズキは6月30日、鈴木修会長兼社長が社長を退任し、長男の鈴木俊宏副社長が新社長に就任する人事を発表した。修氏は引き続き会長兼CEO(最高経営責任者)を兼務する。俊宏氏は修氏の長男で、1994年にスズキに入社。11年に副社長に就任していた。 この発表に触れて、「やはり、想定通り世襲か」と思った人は多かったのではないだろうか。しかし、創業家の鈴木家にとっては「異変」といえよう。なぜなら、1920年に設立されたスズキは2代目以降、修氏に至るまで、代々娘婿がトップを務めてきた企業であるからだ。幸せなことに娘婿は皆優秀だった。 「娘婿がこの会社をだめにした、と後ろ指をさされたくない一心で、これまでがんばってきた」 修氏は常々こう話していた。この負けん気が良い意味でのプレッシャーとなり、スズキを軽自動車大手から、急成長中のインド四輪自動車市場でトップシェアを占め、欧州でも躍進する世界的な小型車メーカ