◆◆◆ 自治体までも民間移送業者を活用 「市の職員から、『車で話をしよう』『話すだけだから』と言われたから了承しただけで、まさか子どもと引き離されて、精神科病院に連れていかれるなどとは夢にも思いませんでした」 茨城県に住む30代女性の桜井春香さん(仮名)は、20代のころに経験した自治体職員からの仕打ちに、いまも信じられない思いだと話す。 桜井さんは2016年に未婚のまま長男を出産し、シングルマザーとなった。出産直後に児童相談所は長男を職権によって一時保護した。これは市からの要請によるものだった。 市は桜井さんが妊娠後期にも仕事を続けていたことや、ベビーバスが用意されていなかったこと、部屋が6畳で狭いことなどから、彼女に育児能力がないと判断したようだった。 当然、桜井さんは市からのこうした一時保護要請に納得ができず、市役所内や彼女の自宅で何度か押し問答が生じたことはあった。長いやり取りの末、