気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン 昨年来の鉱工業生産指数の落ち込みが主要国の中で最大の数字となったことは事実であるものの、今回の世界的な経済危機について日本は相対的には恵まれた状態にあると筆者は考えている。欧米と比べて金融機関の損失は小さく、今回は1990年代のように「不良債権問題」に散々悩まされる必要はなさそうだからだ。 それゆえ、国内に貯蓄が潤沢にあるので、景気刺激策を実行するために発行する国債を消化するのにもさほど問題がない。それに何といっても、われわれには「失われた10年」で培ったノウハウや経験がふんだんにある。こういう時にはどうしたらよいのか、どのような経済政策を取ればよいのかが、それだから十分に分かるはずだ。政策の判断において今回はさほど迷いが生じないだろう。その