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ブックマーク / tanakahidetomi.hatenablog.com (20)

  • 新訳:カール・ポランニー『大転換』

    屋の店頭に並んでた。ちょっと前にid:hicksianさんからの情報で、訳者である野口建彦氏が、スティグリッツが『大転換』に寄せた序文を訳出していることを知った。 「ポラニーの知的遺産と二人のノ−ベル経済学賞受賞者のポラニ−評価」 http://www.eco.nihon-u.ac.jp/assets/files/06-01noguchi_wp.pdf(このファイルの後半にスティグリッツの序文の和訳あり) 野口氏は以下のようにスティグリッツのポランニー解釈を整理している。 ❶新古典派経済学の理論的支柱をなす自己調整的市場の理念、すなわち、社会の諸資源は、競争による価格と利潤の変動に合わせて部門間を自由に移動する企業(家)と家計が財・サーヴィスの交換を何らの規制なくおこなえる「自由な市場」の作用によって、最適配分される(「パレート最適」の実現)との前提はユートピア的である。そのユートピア性

    新訳:カール・ポランニー『大転換』
  • 岡田靖さんの読書リスト - Economics Lovers Live

    Twitterで忘れないうちに、岡田さんの読書リストを覚えてる範囲で書きとめたけど、これはそれをまとめたもの。日のリフレ派の著作は基的に省略。 小室直樹『危機の構造』(かなり影響うけたといってた)。 アンドレスキー『社会科学の神話』(これでその影響を覆した)。 http://www.ichigobbs.org/cgi/15bbs/economy/0563/ より 21: ドラエモン  2002/07/10(Wed) 09:49 >>18 「社会科学の神話」は、経済学やめちゃうリスク(w)より、他の分野の社会科学研究者 に、遥かに破壊的な効果をもっているんではないの?このが出版されたとき、日経の書 評欄に西部氏が「これをいっちゃーおしめーよ」と書いてた。レヴィ・ストロースの研究 が、ある時期から曲がり始め、構造主義がトンデモに転落してゆく軌跡が大笑いだったね。 まあ、黒木さんの大好きな

    岡田靖さんの読書リスト - Economics Lovers Live
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    bluefield 2010/07/11
    読まなければいけない本がたくさん。
  • 『エコノミスト・ミシュラン2010』を希望する人は… - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

    希望する人は、はてブやコメントをつけよ。1週間以内に総数が100越えたら、それ説得材料(?)にして太田出版に掛け合うぜよ(なぜか龍馬伝風*1 Twitter読んで以下の発言にプチ驚いた。まだ見てないけど、そんなこといってるのw uzu_are 私も熱烈希望です!経済学者の半分は……と最後に言ってしまわれてるのでw前進あるのみ!で! RT @YJSZK: 宮崎さんが話を振ってる『エコミシュ2010』、ワシも出して欲すぃなぁ。(『日経済復活 一番簡単な方法(光文社新書)』 http://bit.ly/b4nmfx) 越えなければいけないハードルは僕が考えても三点。そもそも編者三人生きてる? 笑 おーい! 出番だってさー! 爆 エコノミスト・ミシュラン 作者: 田中秀臣,野口旭,若田部昌澄出版社/メーカー: 太田出版発売日: 2003/10メディア: 単行購入: 1人 クリック: 73回こ

    『エコノミスト・ミシュラン2010』を希望する人は… - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ
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    bluefield 2010/02/17
    購入させてもらうのでお願いします。飯田先生のhttp://d.hatena.ne.jp/Yasuyuki-Iida/20091027#p2を基準にすると面白いのでは。
  • 松原隆一郎「論壇時評」in『朝日新聞』

    1月25日月曜の朝日新聞の論壇時評は興味深いものだった。なぜならそこで松原隆一郎氏がデフレ論争をまとめており、その中核がデフレ問題については見解を同じくしている飯田泰之論説を批判しているからだ。直接の反論はひょっとしたら飯田さんが行うかもしれないので、私はむしろ松原氏のデフレ問題そのものの見解についていくつか注目しておきたい。 まず飯田論説を批判した後にそれに関連して以下のように彼は書いている。以下で松原氏が依拠している菊池らの発言はこのブログでもとりあげた『Voice』収録のものである。 「菊池(英博…引用者補遺)の見るところ問題の発端は、小泉以来の自公政権が、輸出にかかわる大企業を優遇したことにある。ゼロ金利によって円安誘導し、法人税と所得税を下げたのである。低金利は高齢家計を直撃し、財政赤字の穴埋めに消費税率が引き上げられて、それでも財政悪化したため公共投資と地方交付税交付金が削減さ

    松原隆一郎「論壇時評」in『朝日新聞』
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    bluefield 2010/01/30
    「金利を上げて消費アップ」はさすがに全滅してたと思ってたのですが…
  • 日本銀行に騙されないための経済書ベスト3 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

    銀行が市場外の情報をしばしば活用していることはよく噂されていることです。またそれとは別にメディアが日銀からの情報をそのまま流してしまうこともままあるでしょう。それは結果的に、日銀の政策を客観的にみることが難しい状況さえももたらすかもしれません。 例えば今日の報道ですが、 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?clu=20091202-00000154-jij-pol :鳩山由紀夫首相と白川方明日銀総裁は2日、首相官邸で経済情勢をめぐって会談し、デフレ脱却に向け協調して対応していく方針などを確認した。首相は会談後、記者団に「認識の共有ができた」と強調。白川総裁は「一段の追加金融緩和の要請はなかった」と述べた。: これだと政府も日銀も現在の政策の枠組みで十分デフレ克服に足りるという印象をもつ人もいるかもしれません。しかし一昨日のエントリーにも書きましたが、日銀の今

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    bluefield 2009/12/03
    ↓挙げられている著作も読まずにエントリを批判するのはどうかと思うが。
  • 2009-12-01-“なにもしない日本銀行”から“少ししかしない日本銀行”へ-Economics Lovers Live

    群馬の講義を終えて、臨時の政策委員会・金融政策決定会合が開催されているのをラジオのニュースで聞きましたが、帰宅したら落ち着く間もなく連発で雑誌の取材を受けたのです。そこでも話したのですが、今回の日銀行の政策はいわゆる「時間軸効果」(低い金利にすると宣言することで経済主体の将来の短期金利予想を低める政策)を中心として、おまけで結果としての日銀のバランスシートの膨張が生じる、という理解でいいのではないかと思います。 つまり01年に日銀行が採用したゼロ金利(時間軸効果)+量的緩和(日銀当座預金残高目標)という政策とは異なり、簡単にいうとその組み合わせの前者だけを採用しただけといえます。ですので一部の報道が日銀が市場に10兆円を資金供給すると強調してますが、これは注意が必要でしょう。というのは従来の日銀行の採用した「量的緩和」ではないからです。もっと消極的な位置づけです。この消極的な位置づけ

    2009-12-01-“なにもしない日本銀行”から“少ししかしない日本銀行”へ-Economics Lovers Live
  • もうひとつの日本は描かれたか?−『ジパング』最終回雑感 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

    ようやく『ジパング』が終了した。この物語はたぶんインドルート攻防戦と石原莞爾が毛沢東と会見したことでその物語としてのピークと想像力の多くを使い切ってしまったのではないだろうか? ただ愛読者として再起を期待してそれでも読み続けていた。 アジアまわりの国際情勢とくに旧植民地関係が「終戦後」にどう描かれるかが、この物語の最重要テーマだと思い注目していたが、ほとんど描かれることなく終わった。インドや中国、そしてソ連との関係がどうなったのか、これでは先のインドルート攻防戦た石原・毛のエピソードが十分に活かされていない。マンガでは受諾したことになっているハルノ―トは、インドネシアと中国土の権益の全面撤退などしか要求してないので、『ジパング』世界では、台湾、朝鮮半島、あと占領されてないのでカラフトなども領土のままである。もちろん南洋諸島のいくつかとかフィリッピンなどもそのままであろう(立ち読みベースな

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    bluefield 2009/11/06
    「戦争終了後のもうひとつのあったかもしれない戦後=ジパングが、描かれずに、戦後パートがタイムトラベルの謎解きになってしまいう~んと思わずうなってしまった」まったく同感。来週からは「西遊妖猿伝」だ!
  • 決断主義と『コードギアス 反逆のルルーシュ』 - Economics Lovers Live

    ちょっと訳あって素直に第1話から第25話まで見通す(約10時間)。ちょっと体調がここ数日あんまりよくなくて頭痛がするけれども、まあしゃあない。 しかしいままで宇野常寛vs笠井潔vs栗原裕一郎氏らの三つ巴がいまいち背景になる知識に欠けてたけども、ようやくわかったような気がする。 要するに彼らが問題にしている例えば『コードギアス』に表れる決断主義的なものというのは、僕がキム・ギドクの作品にみている清算主義的心性とまったく同じ。もちろんこのときの「清算主義」というのは経済学での用法として考えてもらってもいい。 決断主義=清算主義 これでおさえておいて、日の場合だと間違いないような気がする。この図式でおさえると、宇野、笠井、栗原各氏の論調がより明白になると思う。しかしコードギアスまだ続きがあるのかw コードギアス 反逆のルルーシュ 1 [DVD] 出版社/メーカー: バンダイビジュアル発売日:

    決断主義と『コードギアス 反逆のルルーシュ』 - Economics Lovers Live
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    bluefield 2009/10/21
    格差社会なのでサヴァイブしろよ(宇野)vs宇野はマクロな社会構造を誤認しつつ恣意的に作品を読み込んでる馬鹿(栗原)vs 簡単に「決断」なんて言っちゃう若者の自意識の肥大した「セカイ」は問題(笠井) みたいな感じ?
  • 東谷暁を格付けする。〇点。 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

    東谷暁『エコノミストを格付けする』(文藝新書)について 東谷暁自身への格付けは、読者任せでいいということなので、評価を下す。零点。レイテンと読む。これが正しい答えであると思う。理由もあえて書かなくてもいいのだが、まず東谷の議論が公平ではないと思うからだ。彼のエコノミスト採点は、一見すると「公平」ぽいつくりであるが、中味は正直にいえばいったい何を論評したいのか意味がとれないものが多い。 彼の評価の基準は、「「一貫性}=時間を隔てても一貫性のある議論をしているか、「論理性」=その時々の論文あるいは発言のなかで論理性は保たれているか、「データ生」=議論のさいに根拠を提示しているか、「予測力」=提示した予想は当たっているのか、「文章力」=論じるさいの説得力はあったか」であり、それぞれ20点配分で満点が100点である。 まず東谷がエコノミストたちの格付けができるほどの経済学への理解のレベルに欠けるこ

    東谷暁を格付けする。〇点。 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ
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    bluefield 2009/09/20
    『エコノミストは信用できるか』の頃は面白かったんだけど。あの頃の東谷は、「一貫性」よりも「実証」と「世間知」の間の線引きを重視してた気がする。
  • キム・ギドク『悲夢』 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

    いままでの作品(といってもまだ観てないのが3作あるが)の中では最も難解に思える。物語の詳細は端折るが、別れた女に未練をもつ男(オダギリ・ジョー)、そして別れた男に二度と会いたくないと思っている女(イ・ナヨン)。この二人はまったく他人でもあるにもかかわらず、男の夢を女が夢遊病者となり実行する。 お互いの別れた相手もキーになっていて、いまは別れたもの同士が付き合っている。この(夢見男と夢遊病女からそれぞれ別れた)男女が情愛を交わしている場に、何度も夢遊病になった女(イ…夢の中ではオダギリ自身)が復讐に訪れる出来事を反復することに物語のかなりの時間が費やされている。 女の夢遊病を救うために、オダギリはノミで頭はつつくは、目をテープで開いたり変顔つくって寝ない努力をする。ここらへんの寝ない格闘が、あまり出来が良くなく、ユーモア(変な顔)と残酷(ノミなどで身体を突く)が、少しも面白くも怖くもない。む

    キム・ギドク『悲夢』 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ
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    bluefield 2009/09/11
    この「清算主義」が毎度観客の倫理観を揺さぶって視聴がキツイ。「決算」を言い換えるとキリスト教的な善悪の二項対立とその溶解だと思う。トッド・ソロンズも同じようなことをやってるかと。
  • 宮崎哲弥・飯田泰之・河合正弘・小此木潔「経済・メディア衆論」 - 2009-08-22 - Economics Lovers Live

    公然リフレ派(実名さらしてネットで活動するリフレ派)の主要メンバーがスペイン出張中につき、わたくし田中が代わって事後宣伝。ところで僕も近いうちロンドンいくんだけどあっちらはリフレの嵐が吹き荒れてて、庶民レベルでもヘリマネ全開だとか。ぜひ日も見習いたいものです。 朝日新聞の昨日の記事。まず飯田さんの問題提起ー「底打ち」を楽観的に見ることで景気回復がないまま不況が長期化するリスクが大きいこと、来なら政策的対応を備えなければいけない自民党と民主党の両方のマニフェストが、十分な成長(つまりここでは景気回復)がないまま再分配を強く志向していることへの危惧などが指摘されている。 この飯田さんの問題提起に対して各論者がどう答えたかであるが、実は一番のこの座談の売りは飯田さんのこの問題提起があるということに尽きると思う。なぜならこれだけ大規模な総需要不足の不景気が、こんなに簡単に終わるわけない、という

    宮崎哲弥・飯田泰之・河合正弘・小此木潔「経済・メディア衆論」 - 2009-08-22 - Economics Lovers Live
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    bluefield 2009/08/22
    総裁の黒田東彦は著作を読む限りガッチガチのリフレ派だから、同じ組織にいるからって意見が一致すると限らないんですな
  • 宮崎駿の経済学(ミニ講義) - Economics Lovers Live

    今日は務校のオープンキャンパスで20分ぐらいで簡単なミニ講義。テーマは高校生対象ということと、論者の特性??を加味して、表題のものにしてみた。野口悠紀雄氏、稲葉さんなどの先駆的業績があるので、わりと経済学になじみやすい『風の谷のナウシカ』が主題かな。それにナウシカは、メビウスとも関連するので直近の自分の業績(マンガ論の領域)にもストレートに結びつく。 稲葉さんの『ナウシカ解読』を再読してみて、ちょっと難しい印象をもった。たぶん僕と似た考えなんだろうけれども、僕は倫理や正義の問題についてはなるべく直接に語ることは回避したいと思っている。 あとITOKさんの助力を得て、秋津三朗名義の宮崎の処女マンガ『砂漠の民』の話も珍しいので今日は少し話すつもり。 で、講義用の簡単なパワポ資料を作成したんだけど、その中心的なメッセージだけを以下に特段の解説をつけずに箇条書き風コピペ。 宮崎駿の経済学(資料抜

    宮崎駿の経済学(ミニ講義) - Economics Lovers Live
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    bluefield 2009/07/25
    確かにラストは社会主義の棄却だ。ただ「エコロジー的な問題設定の後退」ってのは違うんじゃないだろうか、自然と文明の対立項を捨ててより深化したんじゃないかと。
  • 鈴木淑夫『日本の経済針路』、民主党の政策のバイブル? - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

    民主党の経済政策について論説を書くために購入。利上げ派の家元の書。 さすがに白川日銀行総裁を「孫弟子」というだけあり、日銀行が過去と現在にもっていたすべての「日銀行思想」をフル回転させている。いわく良いデフレとか「強い円」だとか、最近では「輸出構造論」とか。 「〇一〜〇八年の小泉・安部・福田政権の下で、日国民の生活は、超低金利による預貯金の目減り、円安による輸入品の値上がりと海外旅行費用の上昇、〇七〜〇八年の生活物資の値上がりによる実質所得、実質賃金の下落、雇用不安という四重苦を味わってきた。国民生活にとっては、低金利より高金利が有利、円安より円高が有利、インフレよりデフレが有利、雇用の不安より安定が有利である」 さて鈴木氏も「闇雲に金利を引き上げ」ることはしないと注意書きしている。鈴木氏はこういう。 「(1)超低金利を、預貯金が目減りしない正常な水準に引き上げ、(2)名目円レート

    鈴木淑夫『日本の経済針路』、民主党の政策のバイブル? - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ
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    bluefield 2009/07/23
    「国民はいまよりも一段と深い経済的災疫が起きる可能性を真剣に考えるときが近いように思える」
  • 『ゼロ年代の想像力』に掲げる「決断主義」は果たして「ニヒリズム」なのか

    カラスさんに過疎ブログの方で教えていただく。『大航海』を買ったのはたぶんこれで二回目で、前回は10年くらい前、しかもこれがよくみたら「終刊号」か。 栗原さんの論説は、宇野常寛氏の『ゼロ年代の想像力』への厳しい批判である。詳細はぜひ読まれた方がいい。 (略)宇野のいう決断主義は要するに能動的ニヒリズムだったわけだが、それに対する処方箋は、実存を賭けた「小さい物語」同士のバトルロワイヤルの彼岸とかそんなものではなく、政治経済レベルでこのたびの不況ならびに金融危機が回避されるか否かという水準で議論されるべきことだ。八〇年代並みの成長率が取り戻されればそれで解消してしまう程度の「ニヒリズム」にすぎないのだから(それが果たして「ニヒリズム」と呼べるべきかとうのはさておき)。 栗原さんも指摘されているように、宇野氏が昔から繰り返して使い古されている認識をそのままベタに利用しているのにもかかわらず、そう

    『ゼロ年代の想像力』に掲げる「決断主義」は果たして「ニヒリズム」なのか
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    bluefield 2009/06/10
    戦中に青年・思春期だった人は「いつか戦争が終わる」と考えられなくてニヒリズムに陥ったのと似ている。彼らがこうの史代に入れあげるも共通性があるからかと。不況が終われば宇野もこうの史代も後景化すると思う
  • たかもちげん『祝福王』 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

    『週刊 エコノミスト』か『週刊東洋経済』か、それとも他の媒体だかに寄稿した一文。宮崎哲弥さんに注目していただいた短文。 ーー 書はマンガである。しかしただのマンガではない。書は明らかに80年代後半のバブル経済の爛熟、そして90年代初めのその崩壊という、経済的な高揚感と喪失を経験した日人の在り方を問うために書かれた稀有な著作である。経済的な挫折感が、まま精神的な空虚感を人々に抱懐させることはよくある。そのとき人間は、物質的な欲望が充足されないことから、イデオロギーや宗教などの絶対的な真理に逃げようとするかもしれない。実際に80年代末期から90年代初めにかけて、そのような大衆の挫折した欲望のあり方を救済するかにみせかけたカルト的な宗教団体、いかがわしい精神セミナーの類が族生した。そのうちのもっとも過激な集団(オウム真理教)が90年代半ばに起こしたテロはいまも日人の心のどこかに影をおとし

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    bluefield 2009/05/30
    姉妹紙のアフタヌーンも当時バラエティ豊かだったなぁ。
  • 夏目房之介&竹内オサム編著『マンガ学入門』 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

    実はかなり前にこれは購入してた。しかしなんといっいいやらわからない著作で、まあ、よくある各論だけとりあえず勢力均衡に配慮して、メンツ集めて出してみました、という形容しか思いつかなかった。同時期ぐらいに購入されたid:ITOKさんがmixi日記(全体に公開)で的確に指摘されていたのを読んでからは、あえて触れる必要もないかなあ、と思っていた。ところがちょっとこれが「派閥争いがない」という証拠だという発言をmixi内某所で目にした。たぶんこの僕の発言http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20090406#p2を読んでの発言じゃないのかな? 簡単にいうと、まさにこの各論ばかりで、通史も総論もないようなこのの性格こそ、「派閥争い」そのものの結晶といってもいいんじゃないのかなあ。おたがいけん制しあって共通の「マンガ学」の仕上がりに失敗している、ということ。だいたい

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    bluefield 2009/05/24
    ミネルヴァ書房から出てんだ。ぐげぇ。
  • 竹内薫『バカヤロー経済学』 - Economics Lovers Live

    小学生のように素直な気持ちで著者が、相方の「先生」とともに、このギトギトの欲望のインセンティブにからまった日社会を解剖する、誰にでもわかる超経済学入門書である。「先生」の姿が暗黒のベールに隠れて誰なのかがわからないが、「国内外の一流大学で数学と経済を専攻し、政府首脳のブレーンを務めた人物」だそうである。まあ、そういう暗黒先生の正体などどうでもいい。僕らはこの稀有な対談の書をその過激な内容とともに楽しむだけでいいのだ。 書は実によく工夫されていて、題名の通りに経済学の知識がゼロであっても一冊読み終える頃には、なんと日や世界経済を単に経済学の言葉で理解するだけでなく、実にシビアかつ批判的に物事を見る目が養えるのだ。このような書を書いた竹内氏と編集者の企画力には敬意を表したい。 冒頭から、いまでも広範囲にある誤解の最たるものである「経済学を学べば金儲けになるのか?」というど〜しようもない愚

    竹内薫『バカヤロー経済学』 - Economics Lovers Live
  • 速水優元日銀総裁が死去 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

    ご冥福をお祈りします。 僕の速水氏への評価は、以下に引用(『経済論戦の読み方』講談社新書)した一文にもあるように、適切な金融政策に終始消極的であり、それが日の停滞を確実に長期化させたというものでしょう。そして速水総裁時代に採用された量的緩和政策の導入前後も、速水氏が積極的にそれらの政策をけん引したというよりも、不承不承不意な形で採用し、その不満が総裁発言にも終始みられたことでしょう。そのことがまた金融政策の信頼性を著しく損なわせました。また速水氏の経済思想の根底には、「強い円」=円高デフレ志向が濃厚であり、またそれと同時に不況対策としての金融政策を用いることよりも、別種なものにとらわれているように思えたものです。 以下、拙著*1から引用 通貨当局としての日銀行の政策目的の中に、来の意味の構造改革であれ、ましてや「構造改革主義」が含まれるのは納得がいかないことである。同様の指摘をアダ

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  • 民主党が政権とると景気悪化 - Economics Lovers Live

    何かと読みがいのある『Voice』6月号。(名前は出てないけど)池田信夫批判もあるでよ。というネット向けの秋波をここで書くよりも重要度が高いのが、政権交代論議。最近は選挙の争点が「世襲」問題というなんともみみっちい問題になってしまい、拡大をやめない失業問題や不況の深化が政策の争点に実質的な意味でなってないのはなんともはやである。どうして政策の論点にならないかというと、対抗勢力であるべき民主党の経済政策が与党のものと類似しているか、その劣化コピー程度であることが原因である。 与党の経済政策も問題があるが、民主党のものは露骨に金融政策の積極的な援用をけん制しているだけ性質が悪い。すでに民主党の経済政策についてはこのブログでも何度も繰り返し批判してきた。また若田部昌澄さんの刺激的な題名のついた論説もある。今回の『Voice』では安達誠司さんが「景気回復を潰す政権交代」を書いてこの政党の経済政策の

    民主党が政権とると景気悪化 - Economics Lovers Live
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    bluefield 2009/05/11
    「民主党は一方では政府部門の非効率性をとなえ、他方では非効率性を作り出すことに血道をあげる政策を提起していることになる。なんじゃこりゃ、とちゃぶ台をひっくりかえしたい気持ちはおさえよう」
  • マンガ批評界の「派閥争い」が一読明瞭 - Economics Lovers Live

    関東に住んでて、特にマンガ批評界にコミットしていないけれども、間接的には近いところにある僕のようなアマチュアには、夏目房之介氏らを中心とするグループの発言や行動は遠くから拝見していると、かなり「政治的」あるいは「ドメスティック」なものにみえる。僕は「なるべくこの人たちとは関わらないでおこう」とマンガ史研究会もマンガ学会も誘われても入ることはなかった。これからもないだろう。 マンガ批評家たちへの具体的な批判は今度出るという『マンガ論争勃発2』でも喋った。ただできれば当事者からもっと明瞭な「政治」的な発言や傍証がほしかった。しかし今回、竹内オサム氏の『流!マンガ学』を読むと、事情を知らない外部の人間が読めば一読瞭然に、夏目房之介氏やそして伊藤剛氏らを含む「グループ」とでもいうべきものが純然たるマンガ批評以外の思惑で動いているんじゃないか、ということが示唆されている(49、51、第2章の3丸ご

    マンガ批評界の「派閥争い」が一読明瞭 - Economics Lovers Live
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    bluefield 2009/04/07
    「まったく醜いかぎりである」いや、ほんとにそうだ。彼らの批評を呼んだ読者が作品を読んだり作品に開眼したり、実作者へのフィードバックがまったくないだもん。
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