ギリシャの財政危機をきっかけとして、世界的に国の財政への関心が高まっている。先進国の中で債務の突出する日本の場合、消費税引き上げを含む財政再建を説く意見がある一方、景気下支えや成長戦略につながる財政出動を唱える向きもある。日本はいかに財政健全化を進めるべきか。財政制度等審議会の会長を務める吉川洋東大大学院経済学研究科教授と、内閣府参与で菅直人首相のブレーンでもある小野善康阪大教授に聞いた。 ◇ ≪吉川洋氏≫ ■消費税を社会保障目的税に ギリシャ危機の教訓 −−ギリシャ危機をきっかけに、日本の財政にも不安が広がっている 「日本はギリシャから教訓を学ばないといけない。ギリシャの対GDP(国内総生産)比債務残高は約115%だが、日本は180%超だ。危機感を持たないと」 −−日本はギリシャより国債市場が安定しているとの指摘もある 「日本の国債の約95%は国内