このコラムについて この連載の主題は、日本に暮らすムスリム(イスラム教徒)である。9・11以降、日本でもイスラム教に対する関心は高まってきている。イスラム教を様々な切り口で解説した本も、数多く出版されている。しかし、日本国内のムスリムについて語られることは少ない。 近年、西欧諸国においてムスリム移民を社会に統合することが重要な課題となっている。欧米ほどではないが、日本でも徐々にムスリムの数が増えてきており、存在感が増してきている。 宗教は、世界を理解するのに欠かせないものだ。しかし、宗教の教義を知るだけでは十分とは言えない。その教義を、実生活において人々がどのように実践しているかを知ることで、初めて、その宗教の全体像が浮かび上がってくる。 日本社会とは異なる文化や価値観を持つ日本のムスリムが、社会との折り合いをつけながら暮らす姿を知ることで、彼らが求める理想と日本での葛藤を感じてほしい。ま