消費者物価上昇率は2%超が続く 日銀が「異次元緩和」を開始して10年目に入った今年4月、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比はエネルギーや食料品の値上がり等を背景に初めて目標の2%を上回った[1]。過去20年余り、日本のインフレ率が2%を超えたのは、同じくエネルギー、食糧の国際市況が高騰した08年の6~8月の3ヶ月間だけであり、しかもこの時は直後に世界を襲ったリーマン・ショックの影響から、たちまちデフレに舞い戻ってしまった。これに対し今回は、既に6月まで3ヶ月2%超が続いているだけでなく、円安の影響などから今秋に掛けてインフレ率はさらに高まっていくと予想されている。物価指数の動きからみる限り、金融危機の直後98年から始まった本格的な日本のデフレが終焉に最も近づいていると言うことができよう。 しかし今、異次元緩和開始の1年後、14年の春頃にみられた「デフレ脱却」期待(この頃のインフレ率ピークは
![2%目標達成の後:長過ぎた「実験」の帰結 | 研究プログラム | 東京財団政策研究所](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/a49173e564ff925a02124d3e95f55130b7193688/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.tkfd.or.jp%2Ffiles%2Fresearch%2F2022%2Fhayakawa%2F%25E9%2595%25B7%25E3%2581%2599%25E3%2581%258E%25E3%2581%259F%25E5%25AE%259F%25E9%25A8%2593%25EF%25BC%2588%25E6%2597%25A9%25E5%25B7%259D%25E5%2585%2588%25E7%2594%259F%25EF%25BC%2589%2F20220805hayakawa.jpg.jpg)