「韓国はちゃんとサッカーをしてくるし、5試合目でやっとフットボールができる」(長谷部誠) 日本代表のキャプテンを襲名してから早8カ月。このところの長谷部の“コメント力”には目を見張るものがある。もともとよく声が通るし、質問者の目をまっすぐ見て話す姿勢にも好感が持てるし、何より自分の意見を明確に言語化する能力もかなり高い。最近はこれらに加えて、発言に含蓄が感じられるようになった(そのうち「長谷部語録」なんて本が出てくるかもしれない)。冒頭に紹介したコメントは、韓国戦前日のものだが、「フットボールに専念できる」というこの言葉には、今大会の特殊性に対する長谷部なりのシニカルな思いが含有されていて、何とも味わい深い。 長谷部がまず念頭に置いたのが、中東独特の主審の判断基準であったことは間違いない。もちろん、日本に不利な判定を意図的に下す審判はいなかったと思うが、それでも客観的に見ても納得いかな