台湾は陳水扁・民進党政権が発足した2000年ごろから、厳しい対日本認識を見せてきた「国民党史観」から距離を置き、日本統治時代を冷静に評価する社会的風潮が出始めた。 これを受け、各地で廃虚と化していた旧日本官庁の瓦屋根の木造宿舎などを復元して宿泊施設やレストラン、カフェとして再利用する動きが広まった。身近な「異国情緒」に「昭和レトロ」が加わり、台湾の現代っ子の心をくすぐるのだ。 築80年くらいのものが多く、日本国内であれば、取り壊しの対象となるものがほとんどだ。オンボロの日本家屋が生まれ変わるのを見るのは、日本人としてはうれしい。 しかし、一つ寂しいのは、新たな価値を見出される「日本」がある一方、確実に消えていく「日本」があることだ。 最近、中部・南投県霧社から近い山中に住む少数民族であるセデック族のバカン・ノミンさん(89)に出会った際、この思いを強くした。 日本統治時代、地元のセデック族
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