北海道が4月から「生物の多様性の保全条例」を施行する見通しとなった。 道外から入ってきた外来種対策を本格化し、動植物の持ち込みや移動に、道独自の規制をかけることになる。被害を未然に防ぐ予防原則に基づき、希少種の保護対策とあわせて多様性の保全を全道民に義務づける。 道によると、道内は、判明しているだけでも約1万5000種(コケ類や菌類を除く)の生き物がすみかとしている。自然環境課は「様々な生き物がいること自体が道の重要な個性であり、観光の強みでもある」として、条例の基本原則で「多様性保全は、道の文化を守ること」と位置づけている。 しかし、道の生物多様性は、アライグマやブラウントラウト(肉食魚)といった外来種によって脅かされ、農漁業の被害も出ている。その上、道が2010年に更新した外来種リストでは、カブトムシやニホンイタチなどの本州由来の外来種も、生態系へ大きな影響を及ぼしているとされる。