これまでの研究では、読み書き能力(リテラシー)や数的能力といった認知スキルは30歳ごろから低下し始めると考えられてきた。しかし、こうした見方は異なる年齢の人々を一度に調査する横断的研究に基づいている。 今回の研究では、ドイツの成人3263人(16~65歳)を対象に、同じ人の能力を3.5年の間隔をあけて2回測定する研究を行った。これにより、実際に個人の能力がどう変化するかを正確に追跡できた。 その結果、平均的に見ると認知スキルは40代前半まで向上し続け、その後緩やかに低下することが分かった。特に読み書き能力は46歳でピークを迎え、その後の低下は緩やか。一方、数的能力は41歳でピークに達し、その後は比較的急速に低下した。
