2本のポールで異世界へ 「ひとに言う前に、まず自分がやる」 「いまは社会のほうが近づいてきている」 「新しき村」という名前を聞いたことがあるでしょうか? 理想に共感した人たちが集まり、農業などの労働を分担しながら共同生活を送る――。そんな村が日本に誕生してから今年で100年が経ちました。実は、シェアエコノミーや、ワークライフバランス(WLB)など、いま必要とされている考えを実践してきた場でもあります。世間のイメージとは異なる「共同生活」の実態、新規の「村人」に積極的ではない理由。なぜ100年も続いてきたのかを知るため、村を訪ねました。(朝日新聞記者・初見翔) 「100周年のときには取材に来て」 新しき村が誕生したのは、1918年。「友情」や「お目出たき人」などの小説で知られる作家の武者小路実篤(1885~1976)が構想を発表し、共感した人が集まって一緒に暮らし始めました。 最初は宮崎県に