最近、ネット上の表現をめぐる事件が相次いでいる。2月5日、お笑いタレントのブログに「殺すぞ」などと書き込んだ19人が検挙された。これはブログの「炎上」が刑事事件に発展した初のケースだが、掲示板では同様の事件が多発している。警察庁によると、2007年のウェブ上の名誉棄損や中傷などの被害相談は、8871件と過去最高を記録した。大麻所持のような「被害者なき犯罪」の摘発には熱心な警察が、多くの被害者を出しているネット犯罪に及び腰なのは不可解だ。 何かとネット上の犯罪で話題になることの多い、匿名掲示板「2ちゃんねる」の管理人である西村ひろゆき氏は、多くの名誉毀損訴訟で敗訴しても賠償金を払わず、差し押さえを逃れるために掲示板を海外の会社に売却したそうだ。このような白昼堂々の脱法行為を、警察が黙認しているのは奇妙だ。ある警察OBによれば、「2ちゃんねるは犯罪情報の宝庫なので、潰すと情報収集がむずかしくな