国土交通省は31日、民主党が中止を公約している八ツ場(やんば)ダム(群馬県)と川辺川ダム(熊本県)を建設するための予算210.5億円を10年度予算の概算要求に盛り込んだ。民主党が政権交代を確実にしたことでダム予算の見直しは必至だが、国交省内では中止への慎重論も根強く、今後の火種になりそうだ。 31日午前の省議で要求内容を決めた。政権交代は確実だが、現時点では麻生内閣が続いており、「特段の指示がない限り、既定方針通りに予算要求するしかない」(国交省幹部)という。省議でもダム予算への異論は出ず、谷口博昭事務次官は「14日以降に組閣が予想されるが、連絡を密にしていきたい」と述べた。 要求額は八ツ場ダムが194億円(うち国費75億円)、川辺川ダムは16.5億円(同12.3億円)。八ツ場ダムについては、ダム本体の工事費も要求。既に地元が反対を表明している川辺川ダムについては、付け替え道路など本体