1999年1月、エフエム東京(TOKYO FM)は初の動画配信に踏み切った。音のプロも、映像は素人。機材を買い込み、ノウハウを学ぶところからスタートした。 ラジオ局が映像を作るなんて何の意味があるんだ――そう言う人も多かった。だが「デジタルラジオやブロードバンドが当たり前になるころには、映像とラジオは切っても切れない関係になる」と、同社の春山宏明さん(編成制作局番組制作部専任部長)は考え、映像制作のノウハウを身につけておくべきと判断した。 配信したのは、はなわさんや森口博子さんが出演し、同社のホールで行っていたお笑いライブ番組「リスナーズスタジオH800」だ。当時はナローバンド環境で、配信帯域は56kbps。動きもカクカクしていたが、それは確かに映像だった。 それから2年後の2001年4月、ラジオ番組の公開生ライブと映像のネット配信を連動させた音楽ライブ番組「LiveDepot」(パーソナ