これで話が終わりというわけでもないが、ヴォルカー調査の終わりで一つの区切りはついたということで、「石油・食糧交換プログラム」を巡る国連不正についてもう一度触れておきたい。私にしてみれば、日本のメディアはこの問題を必死に隠蔽しようとしたかのように思えたものだ。 話は二十八日付毎日新聞”イラク不正:「国連の腐敗とずさんな監査体制」浮き彫り”(参照)が詳しい。 1年半にわたる調査で浮き彫りになったのは、想像を超える「国連の腐敗とずさんな監査体制」だった。同プログラムを悪用する形で、国連経済制裁下、「旧フセイン政権が“延命”」した事実も露呈した。 今回の報告書で、新たに英国のギャロウェー下院議員が「1800万バレル分以上の石油割り当てを受け、数百万ドルの水増し利益を得た」と指摘された。またフランスのメリミー元国連大使(91~95年)が「200万バレルの石油割り当てを受け、販売手数料として約16万5