整形と神話。顔にメス入れることでしか、もはや世界への愛を表現できない人たちがいる。救い難いナルシシズムは、死へと向かうしかない。ナルシスは自分の顔を水辺で見ながら、その水辺に落ちて溺死した。整形によって神話が現実になる日が来たのである。 整形と実存分析。フロムは私たちの存在様式を2つに分けた。持つ様式(to have)とある様式(to be)に分けた。顔は通常、ある様式のものであるのされる。顔は所有されるものだとは考えられていない。人格や性格と同じように、顔はその人のあり方を表す。だから、顔は変えてはいけないとされる。存在の否定になるから。整形したいという人は、疎外に苦しでいる。顔のせいで、本来の自分ではなくなっている。整形は、ヒューマニズムである。人間性の回復を目指している。 整形と自然。別の観点から考えてみよう。顔は自然のものであって、それを変えることは間違いであるとされている。しかし