ビタミンDが欠乏すると様々な疾病に罹患することは広く知られていますが、最近の研究では、がんの死亡率を減少させる効果があることが報告されています。この研究はは、米国の国民健康栄養調査(2007-2018年)の2,463人の成人がん患者を対象に、ビタミンD濃度の指標として、血清25-ヒドロキシビタミンD濃度と全死因およびがん特異的死亡率との関連を調査しています。 調査期間の中央値は約6年間でしたが、この期間に567人の患者が死亡し、そのうち194人ががんによる死亡と確認されています。 これらの死亡者について、統計的に解析を行なっています。その内容は、人口統計特性、ライフスタイル、食事要因、25-ヒドロキシビタミンDテスト期間、およびがんの種類について調べています。 その結果、ビタミンD濃度が30 ng/mL以上である場合には、全死因およびがん特異的死亡率のリスクを有意に減少させました。 特にビ
HPVワクチン「がん87%減」は誇大な宣伝 HPVワクチンのがん予防効果について、最近、新聞やテレビなどが、ランセットに掲載されたFalcaroらの論文を引用して「英国の大規模疫学研究で、12-13歳でHPVワクチンを接種した人の子宮頸がんが87%減少した」と報じています。 HPVワクチンは子宮頸がん予防の目的で開発されたワクチンですが、承認は子宮頸がんになる前の異形成(CIN)の予防効果に基づいて行われています。 そのため、厚労省のリーフレットでも「HPVワクチンは2006年に欧米で生まれ、使われ始めた比較的新しいワクチンであり、がんそのものを予防する効果を示す報告はまだ少ないため、現段階では証明されたとはいえませんが、子宮頸がんのほとんどは異形成を経由して発生することを踏まえると、最終的に子宮頸がんを予防できることが期待されます。」としか記載されていません。 それが、このFalcaro
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためにマスク着用を呼び掛ける看板。2021年の英ロンドンで(2021年12月18日撮影)。【翻訳編集】 AFPBB News 【AFP=時事】新型コロナウイルスが猛威を振るった2019~21年に世界の平均寿命(出生時平均余命)は2年近く短くなったとする調査結果を世界保健機関(WHO)が24日、世界保健統計の2023年版で発表した。 【写真】コロナ死者が40万人を超え道路を墓地に 2021年のブラジル 平均寿命と健康寿命は着実に伸びてきたが、新型コロナにより後退したとしている。 WHOの年次報告書によれば、2021年の世界の平均寿命は1.8歳短くなり、71.4歳。健康寿命は1.5歳縮まり、61.9歳。いずれも2012年と同水準に落ち込んだ。 英医学誌ランセット(The Lancet)に今年1月掲載された論文では、新型コロナの流行時に平均寿命は1.6歳短くなっ
メッセンジャーRNA(mRNA)の技術を用いたワクチンを開発している米モデルナの日本法人、モデルナ・ジャパン(東京)の長山和正社長は13日、オンラインで産経新聞のインタビューに応じ、「新型コロナウイルスワクチンの接種を受ける機会を提供するのが重要な役割」と述べ、今年秋冬にコロナワクチンが定期接種となった後も、ワクチン供給を進める考えを示した。 新型コロナワクチンは4月から自費による任意接種となり、秋冬からは高齢者らを対象とした原則一部自己負担の定期接種が始まる。 長山氏は「この春夏接種でワクチンを供給するのは現時点ではモデルナのみ」と指摘したうえで、「新型コロナ感染は、入院率が上昇するなど減っていない。認知機能の低下などの後遺症も深刻化している」とワクチンの必要性を強調。「今年の秋冬接種に向けても変異株対応のワクチンを準備している」と話した。 さらに、モデルナはインフルエンザとの混合ワクチ
国立がん研究センターなどの国際共同研究チームは14日、日本を含む世界11カ国の腎臓がん患者962人のがん細胞について全ゲノム解析した結果、日本人患者の7割に特有の遺伝子変異があったと発表した。他国の症例ではほとんど検出されなかった。原因は不明だが、未知の発がん要因が関与した可能性が高いという。論文は1日付の英科学誌ネイチャーに掲載された。 【ひと目でわかる】主ながんの10年生存率 国際共同研究チームは、腎臓がんで最も多い「淡明細胞型腎細胞がん」について、発症頻度の異なる欧米など11カ国から962症例を収集。全ゲノム解析を実施して、塩基配列から変異の特徴的なパターンを抽出し、がんの原因や地域差を分析した。 その結果、「SBS12」という遺伝子変異が日本人患者36人のうち26人から検出された一方、他国の患者では2%程度にとどまった。変異の特徴は加齢や肥満、高血圧などとは異なっており、未知の発が
茨城県つくば市で昨年4月、高熱を出して震え続ける当時3歳の男児について、駆け付けた救急隊がけいれんではなく緊急性は低いと判断し、搬送を見送った。男児はその後、けいれんで発症する急性脳症と診断され、重度の知的障害を負った。 【写真】「障害者を食い物にしている」ナースが見た訪問看護会社のあきれた実態 医師も眉ひそめる 家族は「搬送していたら、結果は違ったのではないか」と、今も苦しんでいる。市は第三者委員会を開き、当時の対応を検証中だ。 乳幼児は自分で体調の異変を説明しきれない。専門家は救急現場での判断の難しさを指摘し、訓練を積む必要性を訴えている。(共同通信=鶴原なつみ) ※記者が音声でも解説しています。「共同通信Podcast」でお聴きください。 ▽41度の発熱、がたがたと震え呼びかけに返答しない 2023年4月16日午前0時半すぎ、父親は隣で眠っていた当時3歳の健ちゃん(仮名)が「うー」と
サイトカインストームに関わる免疫細胞の走査電子顕微鏡カラー合成画像。1個のマクロファージと2個の樹状細胞と多数の白血球が見える。サイトカインは通常の免疫反応にとって重要だが、過剰に放出されるサイトカインストームは害になりうる。(COMPOSITE MICROGRAPH BY STEVE GSCHMEISSNER, SCIENCE PHOTO LIBRARY) 新型コロナウイルス感染症の後遺症で特徴的に見られる免疫系の異常な活性化は、感染から2年でおおむね鎮まることを示した論文が、4月17日付けで学術誌「Nature Communications」に発表された。長く続く症状に悩む患者たちに、緩やかな回復がありうるという希望をもたらす研究結果だ。 新型コロナにかかった人のおよそ10人に1人は、疲労感、ブレインフォグ(脳に霧がかかったようにぼんやりする症状)、息切れ、動悸、抑うつなどの幅広い症状
新型コロナウイルスの感染予防が難しい理由として、まず、ウイルスが多彩かつ強力な「免疫回避のためのすべ」を持っていることがあるが(参照:「新型コロナウイルスは永遠に人類を悩ます? …あまりに多彩かつ強力な「免疫を抑えるしくみ」)、もうひとつ大きな理由がある。それはウイルスの「変異」だ。 【画像】ウイルス表面にあるスパイクタンパク質が変異する 「変異」はどのようなしくみで起きているのだろう。 【※本記事は、宮坂昌之・定岡知彦『ウイルスはそこにいる』から抜粋・編集したものです。】 「変装」するウイルス 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染予防が難しいもうひとつの理由に、ウイルスの速い変異がある。 ウイルスに次から次へと変異が起きると、ウイルスの「顔」が大きく変わるので、いわばウイルスが「変装」したことになる。すると、からだの免疫機構が変異ウイルスを認識できにくくなり、そのために排除が
小林製薬の紅麹サプリメント事件。原因が本当に紅麹なのかがわからない中で、マスコミ報道が過熱、紅麹という言葉だけが広まり、まったく関係のない麹味噌などの不買まで起きてしまった。 実際の犯人が判明するにはまだ時間はかかりそうだが、これを機会に、発酵=健康という単純な風潮も見直されると良いかと思う。「発酵生活」と呼び合い、非常にラフに自宅で発酵食品を作るし人が増えているからだ。自宅で作る発酵食品は、今まで大事故が起きていないのが不思議なくらい、管理が雑だ。 紅麹に罪はない 小林製薬の紅麹サプリメントが腎臓病を悪化させたという話が、なかなか収束しない。紅麹自体に問題はなく、小林製薬社製の紅麹原料を入手している企業173社に対して、厚生労働省が聞き取り調査を行い、過去に健康被害が起きた例は皆無であることが判明した。 紅麹は昔から味噌や醤油、酒などに広く使われてきた。健康被害があるのであれば、とっくに
WHO脱退を訴える5,000人が日本全国から池袋に集結...2024.4.13 パンデミック条約反対デモ 東池袋中央公園を埋め尽くす人の群れ東池袋中央公園に、凄まじい数の人々が集結している…筆者の情報網にそんな報告が飛び込んできたのは、冬も明けてすっかり暖かくなり、初夏の雰囲気すら感じさせる4月13日の昼頃だった。ちょうど都内某所で別の原稿に手を付けていた筆者は、久しぶりの大規模デモとあっては見逃すわけにはいかないとノートPCを閉じ、現地へと向かった。 慣れた足取りで東池袋中央公園へと向かった筆者を迎えたのは、以下のような光景だった。 到着したのはデモ出発の直前。人の波の中には「北海道」や「愛知」など、参加者の所属地域を示すプラカードも掲げられていた。全国から約束の地とばかりにこの場所を目指して大集結した人々は公園内に収まりきれず、押し出された群衆が歩道やサンシャイン側にまで溢れ出している
「香害(こうがい)」とは、柔軟剤や合成洗剤、芳香剤、スプレーなどの日用品から発生する、人工的な香りや消臭・抗菌成分などで起こる健康被害のことです。 頭痛、吐き気、目やのどの痛みなど、さまざまな症状があらわれます。 なぜ「良い香り」で、体調が悪くなるのでしょうか? 香りつき商品に含まれている人工香料の90%以上は、石油から作られた化学物質です。 これらの香料について、国際香粧品香料協会(IFRA)という民間団体が独自の基準を決めていますが、 2015年に公表された3000種類の香料の内、約半分が国連のGHS(化学品の表示に関するシステム)で毒性や危険性が認められているものでした。 香料が、ぜんそくやアトピーの原因になっているという指摘もあります。 日本の香料業界もIFRAの基準に従っているものの、香料を吸い込んだ際の危険性には着目していません。 また、柔軟剤、抗菌・除菌剤、消臭剤、芳香剤など
これまで全額公費負担で行われてきた新型コロナワクチン接種が4月1日から原則有料に変わる。国主導の接種事業が終了し、万が一、接種による健康被害が生じた場合でも、給付額や対象者が縮小される。この救済制度の変更点について、厚生労働省は一般国民に周知していない。 また、厚労省が、医療機関の保管分も含め、余ったワクチンを4月1日以降すみやかに全て廃棄し、使用しないよう、各自治体に指示を出していたこともわかった。 厚労省、PMDAの資料をもとに筆者作成。支給額修正あり【追記】参照。3月31日までに死亡した方は改正前の支給額(死亡一時金4530万円、葬祭料21万2000円)が引き続き適用されます。 コロナワクチン接種は2021年から約3年間「特例臨時接種」との位置付けのもと、接種勧奨が行われてきたが、3月31日で終了する。4月1日以降の接種は、秋冬ごろに予定されている「定期接種(B類)」(65歳以上)を
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