訂正報道をするかしないか、する場合にどのような形でするか。そこにメディアの質、ジャーナリズム観、読者や社会に向き合う姿勢が現れる。昨年の朝日新聞問題の教訓をメディア界は生かしているのか。最近の三つの事例をとりあげて検証してみよう。 東京新聞の丁寧な「おわび」東京新聞は12月11日付読者投稿欄で、「私のイラスト」のコーナーで掲載した作品が実際は投稿者の作品ではなく、「絵はがき」の絵だったとして、15日付朝刊でおわび記事を掲載した。誤って掲載した「絵はがき」の絵は、福島県楢葉町の障害者施設の運営者の作品だった。支援者らが販売し施設の運営に役立てていると説明し、絵はがき購入の問い合わせ先もあわせて紹介。「被災者支援の絵はがきでした」と見出しをつけ、誤掲載した絵を正しい作者名とともに再掲した。 東京新聞2015年12月15日付朝刊5面従来であれば、せいぜい次のような小さな訂正記事が、紙面の片隅に目