【コドレ(仏南部)=三井美奈】仏南部ガール県のマルクール原子力施設で起きた爆発事故で、サルコジ政権は発生から5時間後にナタリー・コシウスコモリゼ・エコロジー・持続可能開発相を現地に派遣するなど、不安払拭に躍起となった。 原子力大国フランスでも高まってきた「脱原発」論議に政権が抱く強い危機感を反映したものだ。 同施設はブドウ畑が広がるコドレ村に面し、現場から約2キロの市街地に約700人が住む。電気技師アラン・ベネディクトさん(55)は、「施設の警報が鳴るのを聞いた。毎月恒例の訓練かと思ったが、本物の事故とは……」と動揺を隠さなかった。妻の雑貨店経営シャンタルさん(54)は「みんなが水道水汚染を心配している。ミネラルウオーターが売り切れた」と話した。事故当日、当局や自治体による説明会は一切なく、村民は不安に包まれた。 ローヌ川水系が広がるガール県周辺には、2008年にウラン溶液流出事故が起きた