東日本巨大地震の発生から10日が経過した21日時点で、Jリーグの公式戦再開の見通しは立っていない。 関係者は「サッカーの力で被災地にわずかでも希望を」と再開を模索するが、電力不足や原発の安全性の問題など、状況は刻々と変化している。先行きが見えない中、関係者は苦悩を深めている。 ◆葛藤 電力問題が深刻化し始めた15日、大半のクラブ社長が集まったJ1・J2合同の臨時実行委員会で、対応が協議された。大東和美チェアマンによると、「日本中が大変な時だからこそ、サッカーの力を示す時だという意見も多くあった」というが、大勢は「4月第1週の再開は不可能」という意見でまとまった。 実はこの席上、ある委員が、「仮に昼間に試合を行ったとして、もし(計画停電で)信号機の消えた交差点で、観戦に来た人がはねられたら、どうするのか」と発言したという。別の委員は「あの言葉が、議論の風を変えた」と振り返る。 国難の時期にス