スタイルへのこだわりは、参加48校の中でもナンバーワンだろう。聖和学園の特徴はドリブル。すべての選手がドリブルを得意とし、どのポジションからでも果敢に相手を抜きにかかる。聖和学園のスタイルを象徴するのが、センターバックを務めるキャプテンの斉藤健だ。最終ラインで相手からボールを奪うと、チャンスと見るやドリブルで攻め上がっていく。 トーナメントを勝ち上がるため、守備の選手に“セーフティファースト(安全第一)”を求めるチームが多い高校サッカーにおいて、斉藤を含む聖和学園のプレーは異質なものに映る。事実、高円宮杯プレミアリーグ参入決定戦では、GKが最終ラインから足元でつなごうとしてボールを奪われ、失点を喫して敗れた。それでもなお、彼らはGKがパスをつなぐプレーも、最終ラインの選手がドリブルで攻め上がるプレーもやめようとはしない。「おれたちはこのやり方で勝つんだ」という、加見成司監督以下、選手たち