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ブックマーク / book.asahi.com (3)

  • 【レビュー・書評】災害ユートピア―なぜそのとき特別な共同体が立ち上がるのか [著]レベッカ・ソルニット - 書評 - BOOK:asahi.com(朝日新聞社)

    災害ユートピア―なぜそのとき特別な共同体が立ち上がるのか [著]レベッカ・ソルニット[評者]柄谷行人(評論家)[掲載]2011年2月6日著者:レベッカ ソルニット  出版社:亜紀書房 価格:¥ 2,625 ■相互扶助の出現、無法状態でなく 大災害が起きると、秩序の不在によって暴動、略奪、レイプなどが生じるという見方が一般にある。しかし、実際には、災害のあと、被害者の間にすぐに相互扶助的な共同体が形成される。著者はその例を、サンフランシスコ大地震(1906年)をはじめとする幾つかの災害ケースに見いだしている。これは主観的な印象ではない。災害学者チャールズ・フリッツが立証したことであり、専門家の間では承認されている。にもかかわらず、国家の災害対策やメディアの関係者はこれを無視する。各種のパニック映画は今も、災害が恐るべき無法状態を生み出すという通念をくりかえし強化している。 むしろこのような通

  • asahi.com(朝日新聞社):宮部みゆき「殺人はもう書きたくない」 青春小説『小暮写眞館』 - ひと・流行・話題 - BOOK

    宮部みゆき「殺人はもう書きたくない」 青春小説『小暮写眞館』2010年7月20日 社会派推理小説を書いてきた宮部みゆきさん(49)が、青春小説に挑んだ。『小暮写眞館』(講談社)は、現代を舞台にした小説では「初のノンミステリー」という。いわく「何も起きない小説」。これまで透徹した筆致で多くの殺人事件を描き、登場人物を不幸にしてきた。「2周目の出発点の作品」は、彼らを救う物語でもある。 『理由』の“一家4人殺害事件”。『模倣犯』の連続誘拐殺人事件――。「書いてつらくなるような事件は『もう書きたくない』という気持ちが、正直、出てきてしまいました」 主人公は高校生の花菱英一、通称「花ちゃん」。名字なのに親も「花ちゃん」と呼ぶような、一風変わった家庭に育った。父は、閉店した写真屋「小暮写眞館」を自宅に。いつの間にやら、心霊写真の謎を追う羽目になる。 かつての社会派推理小説のように、伏線が絶え間なく連

    chroQ
    chroQ 2010/07/21
    実際『模倣犯』以降の彼女の作品にはそういった気分が良く反映されている。何作かでケリをつけようと挑戦した形跡は見られるが成功していない。本作がターニングポイントになるだろうか。
  • asahi.com(朝日新聞社):小説取り巻く「既視感」 ドゥマゴ文学賞受賞の平野啓一郎さん - ひと・流行・話題 - BOOK

    小説取り巻く「既視感」 ドゥマゴ文学賞受賞の平野啓一郎さん2009年10月26日 火星探査船の宇宙飛行士を中心に描く近未来小説『ドーン』(講談社)でドゥマゴ文学賞を受賞した平野啓一郎さんが6日、選考委員の島田雅彦さんとの受賞記念対談をした。そこで、情報の多い現代における小説の困難さについて語った。 例えば宇宙旅行。30年、40年後、何百万円かで宇宙に行ける時代になった時、行きたいと思うかとの問いを立てる。平野さんは、そこまでして行きたいと思わないんじゃないか、という。理由は「良くも悪くも、宇宙に限らず色んな情報を詳細に知りすぎていて、既視感が鮮明になってきた。だんだん体験してなくても、してしまったような感覚がでてきた」からだ。 ルーブル美術館に行く前から、モナリザは何らかの形で見ている人がほとんどだ。だから実物を見ても、「十分嫌と言うほど知っている」という感想を持つのではないか、という。同

    chroQ
    chroQ 2009/10/26
    さすがにそれは違うだろ。古典も新刊もフラットに並んでいるのに、今さら現実世界で起きていることとの「既視感」とかそんなの乗り越えて当然だろうが。
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