鎌倉時代に疫病や厄災を防ぐために使われたとされる札「蘇民将来呪符(そみんしょうらいじゅふ)木簡」を、兵庫県尼崎市南城内の同市立歴史博物館が特別陳列している。新型コロナウイルス感染拡大の収束の願いを込め、市内3カ所の遺跡から出土したものを同館2階ホールで展示している。3月末まで展示予定。 伝説上の人物である「蘇民将来」が素戔嗚尊(すさのおのみこと)に宿を貸したところ、茅(ち)の輪を飾り、蘇民将来の子孫であると書いた札をつけていれば厄災や疫病から逃れられるという教えを受け、子孫が末永く栄えたという伝承が基になっている。 全国的な伝承といい、京都府の長岡京跡からも、平安時代のものと思われる同様の木簡が出土している。 展示されている木簡は、尼崎市内の大物(だいもつ)と猪名庄(いなのしょう)、深田の三つの遺跡からそれぞれ出土。大物の木簡は長さ69センチ、幅7センチで他の二つに比べて大きく「蘇民将来子