こんな時代だからこそ人々が求めたくなる歌声──。昨年7月にシングル「つぼみ」でメジャーデビューした安田奈央の「歌」には、日々せわしく生きる現代人の心をそっと包み込むやわらかさと安心感がある。一昨年の「GIRLS AWARD DAM☆ともオーディション」で日本全国からただ1人選ばれたのも納得の、本当に稀有な歌の力を持ったアーティストだ。 今回の特集では、彼女の音楽人生を紐解きつつ、最新シングル「真夜中のひだまり」についてじっくりと話を訊いた。決して一筋縄ではいかなかった歩みがあったからこそ、安田奈央の歌には温かさと深み、そしてなぜか胸を捉えて離さない不思議な力が宿っているのかもしれない。 取材・文 / 川倉由起子 インタビュー撮影 / 中西求 幼稚園に入ったくらいから、とにかくずーっと歌ってました。それこそ小学校の登下校時や休み時間も(笑)。耳に入ってくるいろんな音楽を聴いて、それを歌うのが