原子力規制委員会(田中俊一委員長)は19日、愛媛県新居浜市の新居浜工業高等専門学校の実験準備室で、五つの試薬瓶に入った放射性物質のウランやトリウム計約536グラムが見つかったと発表した。人体や周辺環境への影響はないという。 規制委によると、必要な手続きをとらずに放射性物質を保管している事例が全国的に相次いだことを受け、同校が校内を点検し、7月17日に金庫内で試薬瓶を見つけた。 瓶のラベルから放射性物質の可能性があり、成分分析の結果、天然ウラン約341グラム、劣化ウラン約1グラム、トリウム約194グラムと判明、規制委に報告した。 金庫から1メートル離れた場所での放射線量は毎時0・2マイクロシーベルト。同校は今後も金庫で保管し、入手経緯を調べる。ウランなどを保管する場合は国の許可が必要。