広告であることを隠して宣伝する「ステルスマーケティング(ステマ)」の規制が2023年10月から始まった。「ステマ天国」に別れを告げ、健全な口コミを育む第一歩を踏み出したはずだったが、早くもその実効性が問われている。背景には、ステマか否かの線引きが難しい運用基準の存在がある。 謝礼を受け取りながら、実際には落札していない商品を、さもオークションで安く手に入れたかのように投稿した──。複数の芸能人が関与し、運営者は逮捕・有罪判決を受けた、2012年のペニーオークション(ペニオク)詐欺事件である。 広告であることを隠し、口コミを装って商品やサービスを宣伝する「ステルスマーケティング(ステマ)」の存在が、白日の下にさらされたあの事件から11年。ようやくステマ行為が、法律で禁止された。 23年10月1日、景品表示法の規制対象にステマが加わった。違反すると、消費者庁から広告主である企業に再発防止を求め