校閲の大ベテランが新しく出た3版を手に取って真っ先に見たのは「募金」の項目。そして、大きなため息――。「誤用」に厳しいといわれる明鏡 国語辞典ですが、すべてそうとは限りません。今回そこに加えられた微妙な改訂など、校閲者が気になった変化を挙げてみました。 10年ぶりに改訂され、2020年12月に発売された明鏡国語辞典。前の版と比較して校閲者が気になったポイントをまとめました。 (名を特記していない画像は明鏡国語辞典。黄色い強調は引用者) 「募金」に寄付の意味を明記 校閲の大ベテランが3版を手に取って真っ先に見たのは「募金」の項目でした。そして、大きなため息をついたのです。 多くの辞書は「寄付金などを広く一般から集めること」(新明解国語辞典8版)のように、読んで字のごとく「お金を募る」意味を基本としています。 ところが、明鏡は「金を寄付すること」という逆の意味を普通に❷で載せています。もちろん