ついに大スクリーンで実現した ギレルモ・デル・トロ監督の“子どもの頃からの夢”3年の歳月をかけた渾身のSF超大作「パシフィック・リム」を引っさげ、同作にふんだんに取り込んだアニメや特撮映画モチーフの母国=日本に降り立ったギレルモ・デル・トロ監督。独特の世界観で高い評価を集める鬼才監督が、作品に込めた熱く真摯な思いを日本公開直前に語った。(取材・文・写真/黒豆直樹) 「アイデアブックなんだ」。前日の会見の際も抱えていたノートの存在について尋ねると、ギレルモ・デル・トロは懐から1冊のノートを取り出した。備忘録のようなものかと思いきや、広げられたページを見て驚く。そこには芦田愛菜がひとりで街に取り残される場面のイメージと共にびっしりと注釈がつづられている。「こっちはルーブル美術館で見た紋様で、(劇中の)パイプ群の絵柄に使用してるよ。これは日本で買ったキャンディのシールだね(笑)」。「パシフィック