7冊目となる創元SF文庫の「年刊SF傑作選」。前巻まで、よくわからないがカッコよさげな四字熟語のタイトルだったが、こんかいから収録作から表題をつけるようになって、まずはめでたい。覚えやすい。 2013年に発表されたあまたのSF短篇のうちから選りすぐって......が主旨だが、作者の意向、各版元の事情、アンソロジーとしてのバランス、文庫本一冊という物理的制約などがあり、編纂はパズルを解くようだろう。しかも、苦労してできあがったラインナップを見て、半可通の野次馬(ぼくだ!)が「コレが傑作って、ネタじゃないの?」「ソレを入れるくらいならアレを入れろよ!」と勝手を言うのだから、アンソロジストとは報われぬ仕事である。ま、本書の編者ふたりはそんなことすら見越したうえで、むしろ見せつけるように仕掛けているだろうが。 まず、読者がかぶるから大森編『NOVA』(河出文庫)からは採らないという方針は、アッパレ