『暗闇でも走る』(安田祐輔/講談社) 生きていれば、誰もが何かしらの困難に立ち向かうことになる。心がくじけて、うずくまってしまうこともある。それは長い人生で考えると、ある種の必然かもしれない。大切なのは、そこからいかに立ち直り、困難を乗り越えていくかではないだろうか。 『暗闇でも走る』(安田祐輔/講談社)の著者の安田祐輔さんは、本書の冒頭で「僕の人生は、本当にうまくいかないことだらけだった」と述べている。発達障害によるいじめ、父のDV、非行、うつ病など、どうしようもない運命や叫びだしたくなるような生き辛さを抱えて、必死に闘ってきたそうだ。 それでも今、安田さんの顔は明るい。様々な苦労と困難を乗り越えて、同じように苦しみを抱えた若者たちを救う活動をしている。社会の片隅に閉じこもってしまうような暗闇を必死で走り抜けた軌跡が、本書に記されていた。 ■地獄のような幼少時代 まずは安田さんの半生をご