2014年にカリフォルニア大学バークレー校を卒業したばかりのライアン・チャンは、浄水場で化学エンジニアとして勤務していた。当時の彼が直面した課題の一つが、様々な機器に発生する機械的なトラブルへの対処だった。 メンテナンスに用いるソフトウェアも存在したが、それらを用いると仕事のペースが大幅に落ちてしまうのだ。 「全てのソフトウェアはデスクトップベースのものだった。しかし、現場の作業員はデスクワークとは無縁の人々だ」とチャンは話す。 その後、チャンは作業員向けのモバイルベースのアプリを開発することを思い立った。彼は独学でコードの書き方を学び、夜間や週末に開発を進めていった。そして2016年に、施設管理者やメインテナンス担当者向けのアプリ「UpKeep」を完成させた。 UpKeepは現場の作業員たちが、修理が必要な機器をフラグ立てし、施設全体の修理状況を管理する機能を持つアプリだ。 現在28歳の