済々黌、知っていたルール=高校野球 済々黌、知っていたルール=高校野球 済々黌の3点目は、珍しい形で入った。七回、1死一、三塁。西のライナーが遊撃手に好捕され、一塁に転送されて走者が戻れずアウト。ところが併殺でチェンジとなる前、帰塁せずにスタートを切った三塁走者の中村謙が本塁を踏み、この得点が認められた。 野球規則7.10「アピールアウト」の項には、同様のケースで得点が認められるとの記述がある。鳴門が失点を防ぐためには、三塁でアウトを取るアピールを行わなければならなかった。 中村謙は小学生の時に読んだ野球漫画「ドカベン」でこのルールを知ったと言い、「狙っていた。認められるまでドキドキしたけど、してやったり」とにんまり。済々黌ナインが相手のアピール権が消滅するよう、急いでベンチに引き揚げる徹底ぶりだった。西口主将は「ルールを含めて、全員が頭を使ってプレーしているから」と胸を張っていた。(