「検察審査会」という名前は、最近になって一般にも知られるようになってきた。でも、どんなことをする組織なのかを正確に認識している人は、まだ少ないのではないだろうか。 裁判所のホームページによると、検察審査会は全国に165あり、それぞれに有権者からくじで選ばれた11人の検察審査員がいる。犯罪の疑いを持たれている人を検察が起訴しなかったことの是非を審査するのが主な任務だ。検察から取り寄せた事件の記録などを調べ、8人以上の賛成で「起訴相当(起訴すべきだ)」、過半数の賛成で「不起訴不当(さらに詳しく捜査すべきだ)」との議決がなされれば、検察は再捜査して起訴するかどうかを検討し直すことになる。 目的は「公訴権の行使に民意を反映させて、その適正を図ること」。つまり、市民感覚を検察に採り入れるための制度である。検察審査会の議決を受けて検察が再捜査した結果、起訴された事件は、これまでに約1500件もあるそう