臨時国会が召集され、菅義偉首相による初の所信表明演説が行われた。国民から信頼される政府を目指し、「行政の縦割り、既得権益、あしき前例主義」を打破して規制改革を進めると語った。 所信表明は、首相が内政や外交の基本方針を国会で示すものだ。にもかかわらず、首相は肝心な点を説明しなかった。 まず日本学術会議が推薦した会員候補6人を任命しなかった問題に触れなかった。「なぜ除外したのか」という核心について、首相は詳しい説明を避けてきた。 最近の報道各社の世論調査では、首相の説明が不十分だという回答が6、7割に達している。「総合的、俯瞰(ふかん)的な活動を確保する観点から判断した」と紋切り型の答えを繰り返すだけでは、国民の理解は得られない。
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