元本一部カットの通知(6) 東急東横線・田園調布駅の周辺は、東京でも有数の高級住宅街だ。駅から数分歩くと1棟のシェアハウスにたどり着く。シェアハウスといっても経営破綻して社会問題となった「かぼちゃの馬車」とは異なる。鉄筋コンクリート3階建て。近くの設計士が建てて所有していた築32年の物件だ。 駅方向に伸びる通りに面し、1階は店舗、2、3階がシェアハウスで9室ある。ソファのある談話室や共用キッチン、風呂を備えた“本格的なシェアハウス”だ。そんな設備は、実質ミニアパートだった「かぼちゃの馬車」にはなかった。 敷地内に違法建築物 物件はいま、50代後半の男性会社員=北関東在住=が所有している。不動産投資に興味があり、2014年に物件を紹介された。不動産仲介業者から「入居率が高く、高い利回りが期待できる」と勧められた。スルガ銀行から全額、融資されるという。 当時、敷地内に小さなカフェが建っていた。