第1四半期の株式市場の上昇が、たった1ヶ月でもろくも吹き飛ぶ様を目の当たりにした市場では、「6月危機」という言葉が最近よく聞かれます。これはここ数年、年央に何らかの政治的危機によって市場が暴落した経緯があるためと思われますが、今年は昨年2011年に引続き、ギリシャの財政危機とEURO圏崩壊の可能性から目が放せない状況になっています。 リーマン危機が発生して以来、「世界経済の命運は中国が握っている」という言葉が、ウォールストリートや金融メディアの間で、頻繁に聞かれて来ました。日本を抜いて世界第二位の経済大国となり、それでも10%近い実質GDP成長率を維持し続けて来た中国のみが、世界経済をけん引する力を持っているという期待をこめてのことだと思います。 しかし足元の経済情勢を見てみると、ヨーロッパの経済が、財政危機の結果もたらされた緊縮財政によって急速に冷え込む中、中国の景気も、明らかな減速傾向