水戸芸術館|美術|ハロー・ワールド ポスト・ヒューマン時代に向けて 一見すると、単なるモザイグ画のようにみえる。けれど、少しでもその場に留まれば、「単なるモザイク画」という言葉で済ませてしまうには、あまりに手強い緊張が走っていることに気づくこととなる。 イメージの中で、風景を「見ている」主体の痕跡が消しようもなく宿ってしまっていること。そして、その何者というのが、ひどくぎこちないかたちで視覚イメージを立ち上げているようにみえること。(だから)『address』の鑑賞体験を異様せしめているものの一つの核には、風景イメージから逆照射された、それを見ていると想定される主体に付随する「ぎこちない視線」がある。そのような体感がまず先に顕れる。 その視線は、ある特定のエリアで固視微動を繰り返したのち、気まぐれにあさってのポイントへと焦点を結び直し(サッカード)、また固視微動を繰り返す。しかし、それは、