ありがちな話ってので、悪の大魔王とか、不幸な身の上の悪鬼羅刹だとか、心を持たぬ殺戮コンピュータなんかに、正義の味方が力や技では勝てなくて、それでも、なんか愛とか慈愛とか、優しさに包んだりして、「わ、私にもまだ心というものが……」とかいって浄化されて倒されたりするじゃん。まさにこれなんよ、わかる? わからんか? おれが悪の大魔王で『若おかみは小学生!』は光や、そう言いたいのよ。べつにおれが「くさったしたい」で、『若おかみは小学生!』がニフラムでもええよ、なんでもええよ。劇場ではもう、クライマックスのところで涙に涙を重ね、このままシネマ・ジャック&ベティの外に放り出されたらどうしよう、がんばれおれの涙腺とか思ってたんだけど、いや、それでも、外に出て寒風に当てられたら、今度はもう「ギギギ……解析フノウ……」みたいになって、おれの精神に崩壊の予兆が訪れたんよ。感情とかそれよりも別のところにある、脳