『時間線をのぼろう【新訳版】 (創元SF文庫)』 ロバート・シルヴァーバーグ,伊藤 典夫 東京創元社 2,800円(税込) 商品を購入する Amazon HonyaClub HMV&BOOKS honto シルヴァーバーグはおびただしい著作のある作家だが、本書『時間線をのぼろう』は代表作のひとつといってよかろう。この作家のいくつかの特色がうまい具合に噛みあって、小説として均衡がとれている。創元SF文庫がまだ創元推理文庫SFマークだったころ、中村保男訳の『時間線を遡って』として邦訳刊行され、ファン投票の星雲賞を獲得している。それがこんかい、伊藤典夫訳で出直した。じつは、中村訳(1974年)に先駆けて、伊藤訳が〈SFマガジン〉に掲載されており(1970年)、それがようやく書籍のかたちになったわけである。もちろん伊藤さんは訳文に手を入れていらっしゃるが、これを「新訳」といってよいのかどうか難しい
