「僕らは豚を育て、加工し、販売しているけれど、これは新しい福祉の実践なんです」。そう話すのは、「恋する豚研究所」代表の飯田大輔さん。グループで養豚から豚肉の精肉加工、ハムづくりなどを手掛ける。農業と福祉を結びつけ、トップクリエイターと協働しているため、一見福祉の取り組みであることには気付かない。飯田さんによれば、農業や商店街の衰退など、地域の課題と福祉は「すべてがつながっている」。“介護”や“農業”という枠組みを軽々と超え、“地域をケアする”という発想で人をつないでいく飯田さんに、これからの福祉(ケア)の可能性を伺いました。 福祉を売りにも言い訳にもしない 恋する豚研究所は、豚肉やハム、ソーセージを販売する会社で、2012年2月9日(肉の日)に立ち上げました。販売する商品は、僕が常務理事を務める社会福祉法人福祉楽団の就労継続支援A型という福祉事業のかたちで、障がいのある人たちによって製造さ