全国の刑務所に収容されている受刑者の総数が減少傾向にある一方で、刑期8年以上の「長期受刑者」の数が急増している。 法務省によると、昨年までの10年間で2倍以上に増え、長期受刑者用の刑務所では、収容定員をオーバーする過剰収容状態が続く。このため、同省は来年から、長期受刑者の分類を見直して「刑期10年以上」とし、刑期8年以上10年未満の受刑者については通常の刑務所に分散することで、過剰収容の緩和を目指す方針だ。 全刑務所の収容率(収容定員に対する受刑者数の割合)をみると、2004年には117%まで上昇したものの、その後は減少に転じ、昨年末は97%。受刑者数も06年を境に減り始め、昨年末では約6万8600人だった。 しかし、長期受刑者の数は増え続け、98年末の3113人から昨年末には6529人と、2倍を超えた。特に03年ごろから毎年約400〜500人ペースで増え、増加傾向が顕著になっているという