現在の兵庫県淡路市志筑に拠点のあった座本「淡路源之丞座」の資料などが昨年、淡路人形浄瑠璃資料館(南あわじ市)に寄贈され、所蔵する浄瑠璃本の目録を作成する作業が進んでいる。今月中に作業を終え、2014年度に発行するのが目標。同館は「愛好家が多かった淡路には貴重な資料がまだ残っているはず」と浄瑠璃本の寄贈も呼びかけている。(大月美佳) 同館は05年、所蔵する浄瑠璃本2108冊の目録を作成。今回は、同座の最後の座主・片山義雄さんの孫喜晴さんが昨年11月に浄瑠璃本33冊、古書など12冊を寄贈したことから作業に着手した。 寄贈品には、演目の前に語る口上や三番叟の言葉までが記された浄瑠璃本「碁太平記白石噺」(1833年)など貴重な資料が含まれていたという。目録の作成作業を担う早稲田大学演劇博物館研究員の神津武男さん(43)は「近代まで生き残った座本所蔵の浄瑠璃本が、公の場所に収まった」と評価する。 目