1855年に締結された「琉仏修好条約」の草案とナポレオン三世に宛てた国書がオークションに出品され、東京古書会館で一般公開されると知り、11月18日に見に行った。ショーケースに陳列された文書は美しい楷書体の漢文で記され、私でもほぼ完全に理解することができた。紙が重なって隠れている部分があったので係員に「隠れている部分も読んでみたい」と頼むと、なんとショーケースを開けてくれ、直接手に取って読むことができた。 大国のプレッシャーの中で国の存続のために奔走した先人の苦労が直接伝わり、思わず涙があふれた。沖縄の宝として故郷に戻って来てほしいと心から願う。 数日後、復旦大学日本研究センターの招きを受け、国際シンポジウムに参加するために上海を訪問した。シンポでは漢字文化圏を研究している研究者から、明代に中国で活躍したイタリア人宣教師マテオ・リッチが「中国札記」の中で「中国人、日本人、朝鮮人、ベトナム人、