千葉県南部で生まれた「なめろう」をご存じだろうか。アジなどの身をネギやショウガの薬味とみそと合わせ、包丁でたたいて作るかつての“漁師めし”である。酒のつまみにも、ご飯のおかずにもよく合うなめろうを食べに南房総市に出かけた。【馬渕晶子】 なめろうは漁師が船上で作っていた料理で、液体のしょうゆより持ち運びやすいみそで味付けする。江戸への物流が海路中心だったことから房総半島沿岸に広まった。 「皿についた身まで、なめるほどおいしい」。それが名の由来という説もある。なめろうをアワビの殻に盛り… この記事は有料記事です。 残り1142文字(全文1386文字)