【鈴木大輔(すずき・だいすけ)】 1973年千葉県館山市に、鮮魚店の3代目として生まれる。東京でイタリアンのシェフを務めていたが、父親の病気をきっかけに家業を継ぐ。物流網を整備して、事業を4倍に拡大させた(写真は、富浦漁港) 千葉県館山の「まるい鮮魚店」を経営する鈴木大輔・まるい社長の朝は早い。午前4時半には3台持つスマートフォンを使って情報収集を始める。旧知の漁船の船長や漁港関係者に電話して、その日の水揚げを聞き出すのだ。 鈴木さんは毎朝、南房総の12の漁港で魚の買い付けをする。「こっちの漁港で大量に上がっている魚が、別の漁港ではまったく水揚げがないということもある。前の日の価格を基に入札しても絶対に買えないんですよ」と鈴木さん。入札が始まる前に、いかに情報を集めておくかが勝負なのだという。 漁港に水揚げされると、それぞれの漁港に出向いた社員が情報を送ってくる。LINEなどSNSで送られ